2011年3月22日火曜日

「センタリング」身体・感情・精神 1

ご自身の中心、「センタリング」、ご自身が求めている何か、焦点を感じ観る方法です。すべて(仕事や悩みや症状などなど、夢や希望などなど)は、あなたの一部分だと感じてくるかもしれません。そして、次第にこれまで気づかなかった感覚で内面/外部に新たな発見があるかもしれません。


(1)身体的なセンタリング

足を肩幅ほどに、軽く目を閉じて立ちます。(椅子に座って行う場合は、足の裏を床にしっかりと少し押し付けるように座ります。)

3回ほどゆっくりと呼吸を感じます。

身体の前側、お腹や胸を感じます。
体の後ろ側、背中やお尻を感じます。
そして、前側と後ろ側の真ん中、センターを感じます。

体の左側半分を感じます。
体の右側半分を感じます。
そして、左右の真ん中、センターを感じます。

足の裏、下方向への力を感じます。
頭の上、上方向への力を感じます。
そして、下方向と上方向の力が交わる真ん中、センターを感じます。

ご自身の真ん中、センターを感じ、ゆっくりとした呼吸を感じます。
吸うときにお腹が膨らむようにゆっくりと呼吸します。

呼吸に意識を傾けながら、ご自身の真ん中、センターを感じながら、
ストレスとか、フラストレーションや不安や恐怖があると思いますが、
感じながらでもOKです。

失敗したことや難しいことや、それもOKです。

すべてはあなたの人生の一部分です。
上手くできても、できなくても、
ごく一部分のことです。


そして、吐き出す息とともに、
ストレスや不安、フラストレーションやプレッシャーを吐き出していきます。
いろいろなセンターの感情を、いろいろです、吐き出していきます。


他の人に向けて吐き出してもKOです。
持っていなくてよい感情、嫌な気持ちを吐く息とともに吐き出していきます。

ご自身だけがきれいに、そして、楽になっていく、
そうイメージしながら、息を吐いていきます。

血液が心臓から手首に、足元に、全身に循環していくのを感じます。
血液の温度を手首に感じます。

そして、10回ほど、ゆっくりと息を吸い、息を吐き出していきます。
吐く息とともに、あなただけがきれいに、楽になっていきます。

生活の悩みや仕事の悩み、身体の悩み、精神的なこと、
人間関係、家族のことや経済的な不安、すべてのストレス、
フラストレーション、プレッシャー、すべてを吐き出していきます。

誰かにうつすように吐き出してみるのもOKです。
あなただけは、きれいに、楽になって下さい。


ゆっくりと目を開けて、そして、周りを見ながら、
これまで気づかなかったものを探してみます。

見慣れていたはずの部屋の中で、これまで、
見ていなかったものや目に留まっていなかったものを
見つけてみます。

今感じている、この感覚を味わってみます。


次回は、五感感覚を広げる、或いはシャットするワークと
今回のワークの解説を書きます。


今回のワークでの感覚や意味などをお知らせください。

2011年3月19日土曜日

#46 オープンカウンセリングルーム 資料

#46OCR(サイコロジカル・ファーストエイド)の資料は以下の通りです。

【資料1】

『サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き 第2版』(88ページ)
http://www.j-hits.org/psychological/pdf/pfa_complete.pdf
被災地に赴き心理援助活動を行なう人のガイド。

震災後に起こる心身の反応と変化、リラクセーションのヒント、乳幼児・就学前の子ども・小学生・思春期の子どもを持つ親、災害にあった大人たちへの助言。個別の反応・行動、対応の仕方、具体例。

●『災害時地域精神保健医療活動ガイドライン』(32ページ)

http://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/saigai_guideline.pdf

災害地で援助を行なうプロフェッショナルのためのガイド。


●『災害医療アクションカード』

http://www.naika.or.jp/info/info_pdf/06_c_mental.pdf

http://www.naika.or.jp/info/info_pdf/06_mental.pdf


●『もしものときに・・・ 子どものこころのケアのために』(16ページ)

http://jpa.umin.jp/download/kokoro/PTSD.pdf

幼年期、小学生、中・高校生別に分けた理解と対処の仕方。
子どもに見られる反応と、大人に出来る支援の仕方。
大人のセルフケア、専門家の援助が必要な場合の判断の仕方。
その他。

●『トラウマの理解と心のケア』(2ページ)

http://kokoro-osaka.jp/info/crisis/ptsd.pdf

PTSD、トラウマ反応、回復、周囲の人への助言。
その他。

●『子どものトラウマと心のケア』(2ページ)

http://kokoro-osaka.jp/info/crisis/ctrauma.pdf

PTSD、子どものトラウマ反応と各年齢によるあらわれ方、対処の仕方。
その他。

●『災害時の「こころのケア」の手引き』(20ページ)

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/video/leaf/files/saigai.pdf
被災地における支援者用の情報のまとめ。
被災された方向けに、大人、子ども、高齢者別のストレス反応症状、対処の仕方。
支援者自身のストレス反応とその対処の説明。

●『こころの健康通信<臨時号>』(1ページ)

http://kobaken-shizuoka.cocolog-nifty.com/blog/files/kokoro.pdf
ストレス反応のまとめ、リラックスの仕方。リラックス法の図解。

日本心理学会東北関東大震災関連ページ


【資料2】

ユニバーサル反応について
トラウマとなる出来事の体験後に起こることの多い反応について。

1)恐怖と不安、緊張

危険な目に逢っているときには、自然に不安になります。トラウマとなった出来事が終わった後にも、長い間不安が続く人も大勢います。不安が長く続くのは、ご自身を取り巻く世界についての見方が変わり、安全についての感じ方が変わり、悲観的になっている場合に起こります。トラウマとなった出来事・体験を想い出すと、恐怖が込み上げてきたり、不安な気持ちになると思います。また、時には何の前触れもなく起きてくる場合もあります。不安を引き起こすきっかけや手掛かりとなるものには、場所・時間・特定の匂いや物音、トラウマを想い出させるような特定の状況などがあります。

どのような時にご自身が不安になるのかについて、関心・注意を払ってみると、不安になるきっかけや手掛かりを発見することも出来ます。すると、前触れなく起こる不安と思われていたものが、実は、トラウマを想い出させるきっかけや手掛かりによって引き起こされていることが実感されること、発見できることがあります。

a)トラウマの記憶がいつまでも再体験される。
b)気持が張り詰めていて、容易に驚く、動揺する。


2)再体験
トラウマとなった出来事・体験について考えたくないのに考えてしまう、そして、それを振り払う事ができなかったり、出来事がもう一度起こっているかのようなフラッシュバックを体験したり、悪夢を見るなど、日常的な体験とは相当に異なるショッキングなものを整理することが出来ない為に、その整理をしようとするかのように、心は自動的に記憶を繰り返し呼び起こし続けます。フラッシュバックなど、自動的侵入的に生じるので、ご自身の感じ方、考え、体験を自分の力で制御できないと思われる方もいます。フラッシュバックは、何らかのきっかけにより生じる事もありますが、多くの場合、脈絡なく突然に生じます。また、トラウマの再体験がフラッシュバックや悪夢ではなく、強い感情やものの見方として現れる事もあり、自分を苦しめる考えや感じが続く事があります。


3)集中力の低下
集中して本が読めない、会話についていけない、思い出せない、物忘れ、周囲の状況に注意が向かないなどが起きると、動揺したり、自身の気持ちが制御できないなどの心配が生じます。集中難は、トラウマの記憶や感情が意識に侵入して起きる場合もあります。また、覚醒亢進というPTSDの反応・症状に一部から生じることもあります。


4)過覚醒
びくびくする、そわそわする、震えたり、驚きやすくなる、集中できなくなる、眠れなくなるなど、覚醒が高まった状態や焦燥感が起こります。覚醒が続き、特に眠りが浅い時には、我慢が出来なくなる、イライラすることもあります。

覚醒反応は、危険から身を守る為の「戦うか逃げるかの反応」により生じています。アドレナリンが分泌され、必要な多くのエネルギーが生み出され、常に身体は警戒状態(発汗、動機など)として、攻撃に反応できるように準備をします。

覚醒状態の高まりは、本当に危険な状態の時は役立ちますが、実際に危険がなくなった状況においても、長い間、警戒状態と不快が続くという問題があります。そして、危険に対してのもう一つの反応が、フリーズ(凍りつき)、この反応はトラウマ体験の最中に起こる事もあります。


5)回避
トラウマによる苦痛を何とかしようとする際に、通常行われる方法が回避です。その場所に行くことを避けるなど、その出来事を想い出す状況を避ける。或いは、夜に被害を受けた方が夕方になると外出が出来ないなど、直接には関係のない状況を避けることもあります。また、不快な気持を減らそうとして、辛いことを感じないように、考えないようにする、気持を抱かないようにしたり、或いは、認めないようにすることもあります。

この方法を繰り返した場合、感情麻痺が起こる事があり、恐怖感の他、心地良さや愛情を感じなくなる、人々から離れている感じや自分が切り離されている感覚、周囲のものが遠くに感じられることがあります。更に心理的ブロックにより、トラウマとなった出来事について想い出せない事や、記憶の一部が抜ける事(断片化)があります。記憶障害が起きることもあります。


6)怒り・苛立ち
多くの方は、怒りっぽくなった、攻撃的になった、イライラしていると感じます。温和で怒りを感じる事に慣れていない人は、こうしたご自身の変化をどうしたらよいか分からなくなったり、怖いと感じることがあります。大切に思う人に怒りや苛立ちを感じる事が理解できず、混乱することがあります。イライラが続くことに腹が立つことも起こります。また、世の中に対しての不当性、不公平感を強く感じて、怒りが生じることがあります。そして、多くの人が自らに怒りを向けています。自らに向けられた怒りの感情は、自責感、罪悪感、無力感、抑うつへと向かいます。


7)自責・恥ずかしさ
ご自身を責めたり、自分を恥ずかしいと思うことが多くなります。やったことや、やらなかったことについて、ご自身の落ち度だと感じられる方が少なくありません。被害を受けた自分が悪いと考える人もいます。

生き延びる為に、普段はしない行動をした自分を恥ずかしいと想う事があります。時には、周囲の人や友人、家族や知人から非難、責められることもあります。罪悪感や恥ずかしさの為に、誰かと話をしたり、何かをすることを回避することがあります。ご自身を責めるのは、起こったことに対して責任を持とうとされているからだと思われます。そのことによって、ご自身をしっかりとコントロールしている感覚が生じることもありますが、一方で、無力感、落ち込みにつながる事があります。


8)悲しみ・落ち込み
反応として、多くの場合、悲嘆や落ち込みが起こります。悲しみ、絶望、諦観(仕方がないとあきらめ)、泣くことも多くなります。希望を持てないと感じたり、これまでの楽しみ(友人との語らい・趣味・遊び)や仕事、人への関心をなくされることもあります。将来がどうでもよくなったり、人生の価値がないと思われることもあります。何をしてもつまらなく感じるかもしれません。

自傷や自殺を考えることもあります。トラウマによって、世界観やご自身を見る見方が大きく変わった為に、失われたものについての悲しみ・嘆きは、ごく自然に起こる反応です。


9)自己イメージ・世界観の変化
トラウマを受けた後、自分のイメージや周囲の世界の見方は、しばしば、ネガティブに変化します。多くの人が、自分が駄目な人だと思ったり、「自分が悪いので悪いことが起こった。」「自分が何とか出来ればよかったのにできなかった。」と考える事が多く、また、他人を否定的に見るなど、誰も信じられなくなることもあります。自分の感情も身体も、自分の命も自分では制御できないという想いを強烈に感じたかもしれません。「もうだめだ。」と感じる事もあります。これまで世界は安全だと思われていた人も、突然、世界は非常に危険だと想うようになり、これまでひどい経験をしてきた人は、世界はやはり危険で、人は信用できないと確信することもあります。すると、人への緊張、不信感など、打ち解けた付き合いが難しくなります。


10)性的関係
性的な関係においても影響がでます。性的な気持ちになれない、無関心や恐怖感など、性的な関係が持ち難くなることがあります。感情的な親密な関係、性的な親密な関係になると、自分が無防備な感じが甦る、不快になる事があります。フラッシュバックが起きる、強いストレスを感じる事もあります。また、抑うつ状態からの影響による場合もあります。


11)アルコール・薬物
トラウマ体験の後に、アルコールやカフェイン、タバコ、シンナー、その他の薬物など、物質(substance:精神に作用する化学物質)の摂取量が増えることがあります。その事が、回復を遅らせる要因となる場合(逆効果:不安が高まる)、また、増加自体が問題を生じさせることがあります。


上記の反応は相互に関連して強化される事があります。



2011年3月15日火曜日

PTSD 「災害医療アクションカード」

 

震災から5日が経過しました。

非常に長い時間が経っているように思います。

一人でも多くの方が助かることを願うばかりです。
こうしたときは、一人一人が塞込まないように
互いにできるだけサポートし合えればと思います。

現在、何もできないとしても、無理になにかしない。
そして、ご自身を責めないことが大切です。


近いうちに大勢の人の力が必要になると思います。

今は、その時に備えての一人一人の準備、
セルフマネジメントが大切です。

ご家族、大切な人と共にご自愛ください。


これからの新たな一歩一歩を

協力しながら乗り越えていければと思います。


今後、被災された方の心理援助をされる方は以下参考となさってください。

 「災害医療アクションカード」

http://www.naika.or.jp/info/info_pdf/06_c_mental.pdf
http://www.naika.or.jp/info/info_pdf/06_mental.pdf