2011年7月20日水曜日

講座 追補 面接の留意点と上達 5

追補ではないのですが、MLで頂いたご質問に関連して、当日のテキスト部分を以下に、



面接には以下3つの側面があります。ケースに応じて、いずれか一つが主となりますが、熟練した面接では、できるだけ3つの側面が満たされるように工夫がされています。

1 陳述を得る。生活史の事実の重要な出来事と受け止め方、周囲の人に対する姿勢。診察者は必要とする情報についての目算、患者の語る流れの中で、それに聴き入る姿勢と舵を持つ。質問をする際は、分かりやすく、慎重に。
 

2 感情状態、振る舞い、行動を量る、その為には、共感的な関わり合い、表情、声のトーン、意見や態度の中に暗に示されていること(人柄、診察者を含めて他者に対しての態度などの所見)に敏感であることが必要。特定の焦点が明確な話題の時にも必要です。また、診察者は自分自身の反応を手掛かりとして有用な情報を得ることができます。このかかわりの総体を眺めることが、人柄と精神状態を知るのに最も重要な情報源となります。このかかわりの総体を観察し、記述します。これが熟達度の目安となります。
 

3 特に初回面接は、サポートという重要な役割があり、知り合い、これから一緒に協力して進めていく基礎が形成されます。不安、不信、敵意を持つ方の場合、初回面接で事実の細部を問うのはひかえめに、辛抱強く共感的に耳を傾けることが特に大切です。押したり急ぐのは禁物です。こうしたケースでは、診察者の質問が自分には関係ないと思ったり、うるさいと感じたりすることが少なくありません。急ぐと全体像の把握が難しくなり、また、今後の関係の基礎を台無しにすることになります。必要な要素は何かを常に心に留めて、その上でニーズに沿って面接を進めます。

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