カウンセラーは、「共感」をしたがる人が多い。それは、なぜだろう?
「傾聴と共感」は、カウンセリングの基本と思われている節があります。或いは、ある種万能のように捉えられていると思える節があるとも思えるほどですが、まず第一にカウンセリングや心理療法には様々なものがありますが、一つとして万能なものはありません。
そして、なぜか、「傾聴」や「共感」をしきりにしたがるカウンセラーが多い。そのわけを考えてみると、その一つには、そのように教えている、教えられてきているということが挙げられます。そして、教えられたとおり、学んできたことがすべてと思われているかのように、盲目的に教条的になっている方も見受けられます。
しかし、クライアントの状態を考慮しない方法は、その病態域によっては危険な状態の悪化を招くことが少なくありません。つまり、病態域についての知識と経験の不足は、クライエントを危険な状態へ向かわせてしまうことがあります。これは、「傾聴」すること、「共感」することでも生じます。
深いパーソナリィー障害(傾向)の方や精神病域の方とのケースでは、「傾聴」や「共感」が状態、病理の悪化をまねくことが少なくありません。心理療法やカウンセリング、コーチングやコンサルティングなどには、状態像、病態域についての勉強と知識、経験から、見立てができることが不可欠です。
次回は、前回書きましたロジャースに関してなど、特にその対象領域についてを書きます。
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