2011年1月12日水曜日

講座 追補 面接の留意点と上達 4 

3の続きです。


2で言葉(言語)によるサポートと言葉ではない(非言語)サポートを書きました。言葉でない(非言語)やトーン、雰囲気が主で言葉(言語)の内容が従ということですが、更には非言語的コミュニケーションがないと言葉が活きない、理屈の辻褄合わせや上っ面なものになります。そして、「理解」わかるというのは、すると、「関係性」ということになるかと思いますが、これは改めて書きます。


ただし、非言語でのかかわりは、輪郭がはっきりとしていないので、想像や空想が肥大化するリスクがあり、把握できる一定程度の浅いものに留めておくことも肝要となります。


初心の方の多くは、狭い意味での方法を求めますが、特に心理や精神科では広い意味で、面接自体が主な方法、関係性が主で技法が従となります。当たり前のことのようで、それでも、身体に染み込んでいない方法や技法は、時折忘れがちでもあるようです。


以下、講座で使いましたTEXTの要約を挙げます。面接の各側面の関連について考えてみましょう。


心理的、社会的現象に注意を払うこと、面接自体が主な方法となることを前提として。


1 聴く(陳述情報を得る):重要な出来事とその受け止め方、周囲の人に対する姿勢を語る流れの中でバランスよく聴き入る姿勢。質問は、分かりやすく、慎重丁寧に。


話す意欲と語る能力(認知、記憶、内省などの精神機能)、伝達能力(知り得ていることを言葉で語る能力)は、話の流れへの聴き手の同調と受信力、感知性を高める工夫(引出しかた、邪魔をしないこと、環境的な障害を除くこと)によるところが大きいものです。


2 見立て:感情状態、対処方法を量る、共感的なかかわり、表情、声のトーン、意見や態度に暗に示されていることと自分自身の反応の観察、現状でのかかわり、関係性全体の確認による人柄と状態の推察、今後の予測の記録。


辛い苦しい状態の時、ご本人は、何らかを意図して話(情報提供)しているのではなく、語られる情報とその人は一体化していますので、言語/非言語、身体活動面の重視、印象、全体を観ることが重要です。また、その面接場面の「場」に於ける刺激と反応である(相手が違う人であったり、場所が違うと変化する)ことも忘れないようにして、偶発的な負荷刺激(更なるプレッシャーが掛からないように)に注意します。


3 関係性:これから協力して進めていく基礎づくり。辛抱強く共感的に、急ぐと全体像の把握が難しくなり、関係基礎をなくすことになります。


辛く苦しい状態で不安定であり、何かを漠然と求めている状態にあります。非言語(一定程度の浅く全体にいきわたる範囲での暖かさ、やさしさ、雰囲気、空気)を基盤としたコミュニケーションと言語での的確な内容とタイミングで理解されること(合意)が求められます。


状態によっては、「分かられたくない」気持ちを解り、それを伝えることを含みます。合意されない場合の有害性への配慮を心に留めることが大切です。


続く。

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